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名選手、名GMならず。 [野球]

2016年8月9日現在、セ・リーグ最下位に沈む中日ドラゴンズ。
その谷繁元信監督が、成績不振を理由に球団から休養(事実上の解任)を申し渡されたという。

パ党の僕は、セの試合は滅多に見ないし、順位や個人成績も殆ど気にならないが、中日については少し気になっていた。


落合博満GM。

現役時代は3度の三冠王を獲得した名選手であり、中日監督時代は「名選手、名監督にあらず」という言葉を覆して素晴らしい成績を収め、選手・監督として超高額年俸を手にした。

その一方で、選手・監督時代を通して「ファン無視」「ファンサービス軽視」の姿勢を徹底して貫き、実績の割に人気はイマイチであったと言えよう。


プロ野球は興業(人気商売)である。

球団は「好きな選手を見たい!」「好きなチームを応援したい!」というファンが買ってくれるチケットやグッズの売り上げ、ファン人気を当て込んだスポンサー収入&TV放映権料などから成り立っている。

選手・監督時代の落合博満氏は、多額のカネがかかる割に集客力が弱いという、コストパフォーマンスが悪く、興業主(球団)としては悩ましい存在であったと想像する。
(もちろん、僕の勝手な想像だ。)


この落合博満氏が2013年、GMとして中日に復帰した。
報道によると、落合博満氏の方から中日・白井オーナーに売り込んだという話だ。


選手・監督時代は「勝つことが最大のファンサービス」と嘯き、「ファン無視」「ファンサービス軽視」の姿勢を徹底して貫き通した人物が、GMという(現場ではなく)フロント側の立場に就任したことで、その姿勢に変化が見られるのか、注目していた。
(本来、球団の幹部として、ファンを無視する訳にはいかないはずだ。)

しかし驚いたことに、GMに就任してもなお、「ファン無視」「ファンサービス軽視」の姿勢を貫いているようだ。
「GMはチーム編成が職務だ。ファンサービスは職務の範囲外。」という考え方なのかもしれない。


落合博満氏が中日の監督に就任して1年目。
戦力補強が殆どない状況で、見事に優勝した。
素晴らしい結果だ。

また、監督時代は、ファンや(ファンにメッセージを伝える)メディアに対しては相変わらず無視を決め込んでいたが、監督としての戦略や指導方針、選手に対する思いやりが感じられる発言が報じられる度に、様々なことを実に良く考えているなと、非常に感心させられたことも事実だ。

よって、GMに就任した時は、(ファンサービスはともかく)チーム編成については手腕を発揮するだろうとの期待感もあった。

そのような状況のなか、落合博満GMの推薦による、谷繁監督(選手兼任)が誕生した。


しかし、その後は周知の通り。
落合博満GMには落胆させられるばかりだ。

手腕を発揮したのはコストカットだけ。
しかも、現場のみならず、裏方さんの報酬もカットしたという非情さだ。
裏方さんの報酬をチーム成績に直結させられては、たまったもんじゃないだろう。
コストカットが成功したと言っても、浮かせた分をチーム成績向上に結びつけられないようでは、GMとして成果を上げたとは言えまい。

肝心のチーム編成においても目立った功績は見られない。
落合博満GMが獲得したと言われる選手は今のところ殆ど活躍していない。
(落合博満氏がGM就任後に入団した選手で、活躍している選手と言えば、又吉、祖父江両投手ぐらいしか名前が浮かばない。他にもいたら申し訳ない。)
むしろ、実績あるベテランや中堅、期待の若手を放出し、戦力ダウンを招いたと思われても仕方のない状況だ。
(しかも放出した選手は移籍先で活躍しており、落合博満GMの見る目の無さも指摘されている。)

落合博満GMからすれば、「オレが監督1年目の時は戦力補強なしで優勝した。」と言うかもしれない。
監督としては賞賛される話だが、戦力補強が主要な職務であるGMとしては、戦力補強してチーム力を向上させる義務がある。
「オレが監督1年目の時は戦力補強なしで優勝した。」というのは、GMとして怠慢であることの言い訳にはならない。

つまり、GMとしての成果は殆ど無きに等しい状況だ。


プロ野球は興業であると言ったが、同時に、勝負の世界でもある。
谷繁監督が成績不振を理由に休養(解任)に追い込まれたのは、「そういう世界だから」と割り切るしかない。

時代錯誤の選手兼任監督に無理矢理就任させられた点については気の毒に思うが、谷繁監督自身のやり方のまずさも報じられており、責任を取らされるのは仕方ないだろう。
(ちなみに、谷繁監督の盟友である佐伯コーチも同時に休養(解任)させられている。)


僕が疑問に思うのは、「何故、谷繁監督だけが責任を取らされるのか?」ということだ。


谷繁元信氏を監督に推薦したのは落合博満GMだ。
もし「谷繁氏には監督としての能力がなかった」と言うなら、それを見抜けずに監督に推した落合博満GMの責任も当然問われて然るべきである。

戦力補強の成果がないのは落合博満GMの責任だ。

GMという仕事はファン&ファンサービスを無視していても良いのか?という疑問もある。

中日は長年、赤字体質に喘いでいる?
それだったら尚更、ファンサービスに力を入れなくてはならない。
いや、球団としてファンサービスに力を入れているのは分かっているが、球団幹部であるGMが無関心・無関係を装っていて良いのだろうか?


もう一度言う。

何故、谷繁監督だけが責任を取らされるのか?
落合博満GMも同様、いや、監督以上に責任があるのではないだろうか?


・・・おっと、そう言えば未だシーズンの真っ最中だった。

いくら結果を出していないとはいえ、犯罪や野球協約に触れるような不祥事を起こした訳でもないのに、シーズン中にGMを更迭する訳にはいかないということは理解できる。

では、シーズン終了後、仕事をしていないGMに対して中日球団がどのような判断を下すのか、大いに注目している。

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